転職活動の軸が思いつかない人へ|採用担当が教える作り方・一覧・回答例

「転職活動の軸」が思いつかない人に向けた記事 20代の転職・キャリア

面接で、

「転職活動の軸を教えてください」

と聞かれて、何を答えればいいのか分からない。

そんな人は珍しくありません。

「成長できる会社です」
「働きやすい環境です」
「やりがいのある仕事です」

このような回答を考える人も多いでしょう。

ただ、採用担当として面接をしていると、それだけでは「なぜうちの会社なのか」がほとんど伝わりません。

転職活動の軸は、立派なことを言うためのものではありません。

重要なのは、

「今回の転職で何を変えたいのか」

を自分の中で整理することです。

この記事では、転職活動の軸が思いつかない人に向けて、採用担当の視点から作り方と回答例を解説します。

「転職活動の軸」とは?

転職活動の軸とは、簡単に言えば、

「次の会社を選ぶときに大切にしている条件」

です。

例えば、

  • 未経験の仕事に挑戦したい
  • 専門性を身につけたい
  • 若いうちから裁量を持ちたい
  • 長期的に働ける環境を選びたい
  • 将来やりたい仕事につながる経験を積みたい

などがあります。

難しく考える必要はありません。

ただし、

「給料が高い会社」
「休みが多い会社」

だけでは、面接で転職活動の軸として説明するには弱くなります。

条件だけではなく、

「なぜそれを大切にしているのか」

まで説明できる状態にしておきましょう。

採用担当が転職活動の軸を聞く3つの理由

採用担当として確認したいことは、大きく3つあります。

1.なぜ転職するのか

転職活動の軸を聞くと、その人が現在の会社の何を変えたいのかが見えてきます。

例えば、

「より専門性を高められる環境を軸にしています」

という回答なら、

「今の会社では専門性を高められないのかな?」

と考えます。

つまり、転職活動の軸は転職理由ともつながっているのです。

「なぜ今の会社を辞めたいのか」がまだ整理できていない人は、「面接で転職理由を聞かれたときの答え方」もあわせて確認してみてください。

2.なぜ自社を受けているのか

ここは重要です。

「成長できる会社を軸にしています」

と言われても、多くの会社に当てはまります。

採用担当からすると、

「それなら別にうちじゃなくてもいいのでは?」

となります。

一方で、

「採用業務だけではなく、将来的に人事制度や教育まで経験し、人事として専門性を高めたい」

という軸なら、その会社で実現できることと照らし合わせられます。

3.入社後に辞めないか

採用には時間もお金もかかります。

そのため企業は、

「入社してすぐ辞めないか」

も確認しています。

転職活動の軸と会社の環境が大きくズレていれば、入社後に、

「思っていた会社と違った」

となる可能性があります。

だからこそ、面接官は転職活動の軸を確認します。

転職活動の軸が思いつかない原因

転職活動の軸が思いつかない人は、いきなり、

「自分の転職軸は何だろう?」

と考えていることが多いです。

これだと難しくなります。

先に考えるべきなのは、

「なぜ今の会社から転職したいのか」

です。

例えば、

「同じ仕事の繰り返しで成長を感じられない」

のであれば、

「新しい仕事に挑戦できる環境」

が候補になります。

「仕事そのものが自分に合っていない」

のであれば、

「自分の強みを活かせる職種へのキャリアチェンジ」

かもしれません。

転職活動の軸はゼロから作るのではなく、現在の不満や将来への希望から逆算すると考えやすくなります。

転職活動の軸の作り方【5ステップ】

転職活動の軸が思いつかない場合、いきなり「自分の転職軸は何だろう?」と考える必要はありません。

おすすめは、これまでの経験から順番に整理することです。

現在の不満 → 残したいもの → 将来 → 次の会社に求めるもの

この順番で考えると、自分なりの転職活動の軸が見つけやすくなります。

STEP1|今の会社を辞めたい理由を書き出す

まずは、なぜ転職したいと思ったのかを書き出してみましょう。

例えば、

  • 同じ仕事ばかりで新しい経験ができない
  • 希望している仕事に挑戦できない
  • 評価基準が分かりにくい
  • 残業が多く、長期的に働くイメージが持てない
  • 今後のキャリアが見えない

などです。

ここでは、面接で話せる内容にする必要はありません。

まずは自分の本音を整理します。

転職理由が分からないまま転職活動の軸を作ろうとすると、「成長できる会社」「働きやすい会社」など、抽象的な回答になりやすくなります。

STEP2|今の会社でも続けたいことを考える

不満だけではなく、今の会社で「これは次の会社でも続けたい」と思うことも考えます。

例えば、

  • お客様と直接関われる仕事
  • チームで進める働き方
  • 若いうちから仕事を任せてもらえる環境
  • 土日休み
  • 自分で考えて動ける仕事

などです。

転職というと「今の会社の嫌なところ」ばかり考えがちですが、今の会社で満足している部分も転職活動の軸になります

STEP3|1〜3年後にどうなっていたいか考える

次に、少し先の将来を考えます。

「10年後にどうなりたいか」まで決める必要はありません。

まずは1〜3年後で十分です。

例えば、

営業として新規開拓だけでなく、既存顧客への提案もできるようになりたい。

採用だけでなく、教育や人事制度についても経験したい。

未経験のWebマーケティングに挑戦して、実務経験を積みたい。

というように、「何ができるようになりたいか」で考えると整理しやすくなります。

STEP4|次の会社に求める条件へ変換する

ここまで整理した内容を、次の会社に求める条件へ変えていきます。

例えば、

今の会社では同じ仕事しか経験できない

幅広い業務を経験したい

若いうちから複数の業務に挑戦できる会社

これが転職活動の軸になります。

ほかにも、

評価基準が分からない

成果を正当に評価してほしい

評価基準が明確な会社

という作り方もできます。

転職活動の軸は、ゼロから考えるものではありません。

「今の会社で変えたいこと」と「将来やりたいこと」を、会社選びの条件に変換すると考えてみてください。

STEP5|「なぜ?」まで説明できるようにする

最後に、その転職活動の軸を重視する理由を説明できるか確認します。

例えば、

「成長できる会社を軸にしています」

だけでは、採用担当には具体的な意図が伝わりません。

そこで、

「なぜ成長したいのか?」
「具体的に何ができるようになりたいのか?」

まで考えます。

例えば、

私は、採用だけでなく教育や人事制度まで経験できる環境を軸に転職活動をしています。将来的に人事として幅広い業務を担当できるようになりたいと考えているためです。

ここまで説明できれば、転職活動の軸としてかなり具体的になります。

面接官に評価されそうな答えを無理に作る必要はありません。

「なぜ今の会社から転職するのか」→「次の会社で何を実現したいのか」

この2つがつながっていることの方が重要です。

転職活動の軸一覧【具体例】

転職活動の軸が思いつかない場合は、まず自分が何を重視したいのか、具体例から探してみるのも一つの方法です。

代表的な転職活動の軸には、次のようなものがあります。

転職活動の軸具体的な考え方
成長新しい業務を経験して、できることを増やしたい
専門性特定の職種・分野の経験を深めたい
キャリアアップより難易度の高い仕事や役割に挑戦したい
未経験職種興味のある職種へキャリアチェンジしたい
裁量自分で考え、判断できる仕事を増やしたい
マネジメント後輩育成やチーム運営を経験したい
評価制度成果や能力が適切に評価される環境で働きたい
年収経験や成果に応じて年収を上げたい
働き方無理なく長期的に働ける環境を選びたい
勤務地希望する地域で長期的に働きたい
安定性長期的に働ける事業・経営基盤のある会社を選びたい
海外・語学語学力や海外経験を活かせる仕事がしたい

ただし、この中から一つ選んでそのまま面接で答えるだけでは不十分です。

例えば「成長」を選んだのであれば、

「自分にとって成長とは、何ができるようになることなのか」

まで具体的にします。

同じ「成長」を転職活動の軸にしていても、人によって求めているものは違います。

大切なのは、自分のこれまでの経験と転職活動の軸がつながっていることです。

転職活動の軸の回答例

未経験職種へ転職したい場合

私は、未経験から新しい職種に挑戦し、専門性を身につけられる環境を軸に転職活動をしています。現職で○○を経験する中で△△に興味を持つようになり、今後は△△を専門的に経験したいと考えるようになりました。

ポイントは「未経験に挑戦したい」で終わらないことです。

なぜその仕事なのかまで説明します。

成長を軸にする場合

私は、若いうちから幅広い業務を経験し、専門性を高められる環境を軸にしています。現職では○○を経験してきましたが、今後は△△まで経験することで、将来的に○○として成長したいと考えています。

「成長したい」だけでは抽象的です。

何ができるようになったら成長なのかまで言語化しましょう。

ワークライフバランスを重視する場合

働き方を軸にすること自体が悪いわけではありません。

ただ、

残業が少なく、休みの多い会社を軸にしています。

だけだと、仕事そのものへの関心が伝わりません。

例えば、

長期的に働きながら○○の専門性を高めていきたいと考えているため、仕事内容と働き方の両方を重視しています。

など、仕事内容と組み合わせた方が説明しやすくなります。

「キャリアアップ」を軸にする場合

私は、これまでの経験を活かしながら、より責任のある仕事に挑戦できる環境を軸に転職活動をしています。現職では○○を経験してきましたが、今後は△△にも携わり、将来的にはチームやプロジェクトを任せてもらえる人材になりたいと考えています。

「キャリアアップしたい」だけでは、何を目指しているのか分かりません。

役職を上げたいのか、仕事の難易度を上げたいのか、担当範囲を広げたいのかまで具体化しましょう。

「専門性」を軸にする場合

私は、○○の経験を深め、専門性を高められる環境を軸に転職活動をしています。現職では○○を幅広く経験してきましたが、今後は特に△△の実務経験を積み、将来的には○○の分野で専門性を持った人材になりたいと考えています。

専門性を軸にする場合も、「スキルアップしたい」で終わらせないことが重要です。

どの分野の、どんな経験を積みたいのかまで説明できるようにしておきましょう。

「評価・年収」を軸にする場合

年収を転職活動の軸にすること自体は問題ありません。

ただし、面接で、

年収を上げられる会社を軸にしています。

だけを伝えると、条件だけで会社を選んでいる印象になりやすいです。

例えば、

私は、これまでの経験を活かしながら、成果や役割が適切に評価される環境を軸にしています。今後はより責任のある仕事にも挑戦し、成果を出すことで評価や待遇も高めていきたいと考えています。

とすれば、単純な「給料を上げたい」だけではなくなります。

もちろん、本音として年収を重視することは問題ありません。

ただ、採用担当が知りたいのは、「年収を上げるために自分は何ができるのか」という部分です。

「成長したい」を転職活動の軸にしてもいい?

結論からいうと、「成長したい」を転職活動の軸にすること自体は問題ありません。

特に20代や第二新卒の場合、「今より経験の幅を広げたい」「新しい仕事に挑戦したい」と考えて転職する人も多いでしょう。

ただし、面接で、

「成長できる会社を軸にしています」

だけで終わるのはおすすめしません。

採用担当からすると、

「あなたにとって成長とは、何ができるようになることなのか?」

が分からないからです。

例えば、

営業として成長したい

よりも、

新規開拓だけでなく、既存顧客への提案や課題解決まで経験し、法人営業として提案力を高めたい

の方が具体的です。

人事なら、

人事として成長したい

ではなく、

採用だけでなく教育や人事制度まで経験し、将来的には人事領域を幅広く担当できるようになりたい

と説明できます。

ポイントは、「成長したい」からもう一段掘り下げることです。

成長したい

何ができるようになりたい?

そのためにどんな経験が必要?

その経験ができる会社を選ぶ

ここまで整理できれば、「成長したい」という気持ちを具体的な転職活動の軸に変えられます。

また、「会社に成長させてもらう」という伝え方にも注意が必要です。

企業が採用したいのは、単に学ばせてもらいたい人ではありません。

自分から経験を積み、その経験を仕事で活かしていく姿勢まで伝えられると、転職理由にも説得力が出てきます。

「成長したい」を転職理由としてどう伝えるかについては、「転職理由で『成長したい』はNG?採用担当が評価する伝え方と回答例」でも詳しく解説しています。

転職活動の軸は何個必要?

無理に1つに絞る必要はありません。

実際の転職活動では、

絶対に譲れない条件

できれば満たしたい条件

を分けておくことをおすすめします。

例えば、

絶対に譲れない

  • 希望職種
  • 勤務地

できれば満たしたい

  • 年収
  • リモートワーク
  • 福利厚生

という考え方です。

すべての条件を満たす会社を探そうとすると、応募できる会社が極端に少なくなる可能性があります。

優先順位まで決めておきましょう。

転職活動の軸と志望動機はつなげる

ここまで整理できれば、志望動機も作りやすくなります。

例えば、

転職活動の軸
「未経験から採用に挑戦したい」

企業の特徴
「未経験から採用担当として採用計画・面接・研修まで経験できる」

志望動機
「自分の転職活動の軸と御社の仕事内容が一致している」

という流れです。

面接で、

「転職理由」
「転職活動の軸」
「志望動機」

を別々に考える人がいます。

しかし、本来この3つはつながっています。

転職理由 → 転職活動の軸 → 志望動機

に一貫性があると、面接官にも納得してもらいやすくなります。

転職軸と志望動機がバラバラだと、「なぜ当社なのか」が伝わりません。
志望動機の作り方はこちら→「採用担当が見る志望動機の作り方」

転職活動の軸でよくあるNG回答

転職活動の軸には正解があるわけではありません。

ただ、採用担当として面接をしていると、「もう少し具体的に聞きたい」と感じる回答はあります。

代表的な3つを紹介します。

NG①「成長できる会社です」

成長できる環境を軸に転職活動をしています。

これだけでは、「何を成長させたいのか」が分かりません。

「営業として提案力を高めたい」「採用だけでなく教育まで経験したい」など、何ができるようになりたいのかまで具体化しましょう。

NG②「ワークライフバランスです」

残業が少なく、休みの多い会社を軸にしています。

働き方を重視すること自体は問題ありません。

ただ、これだけだと採用担当からは「仕事内容より条件を優先しているのかな」と見える可能性があります。

例えば、

長期的に働きながら○○の専門性を高めたいと考えているため、仕事内容だけでなく働き方も重視しています。

とすれば、仕事と働き方の両方を考えていることが伝わります。

NG③「御社で成長したいです」

これは一見よさそうですが、転職活動の軸というより志望動機に近い回答です。

転職活動の軸は、

「企業を選ぶときに、自分が何を大切にしているのか」

を説明するものです。

まず、

○○を経験できる環境を軸に転職活動をしています。

という自分の基準があり、その条件に応募企業が当てはまっているから、

そのため御社を志望しました。

とつなげる方が自然です。

転職理由、転職活動の軸、志望動機をそれぞれ別々に作るのではなく、一つのストーリーとしてつながっているかを確認してみてください。

それでも転職活動の軸が分からない場合

ここまで考えても、

「自分が何をしたいのか分からない」

という人もいると思います。

特に20代前半や第二新卒では、社会人経験そのものが短いため、最初から明確なキャリアプランを持っていないこともあります。

その状態で無理に応募を続けると、

「何となく良さそう」

という基準で会社を選びやすくなります。

まずは、

今の仕事で嫌なこと
今の仕事で続けたいこと
次の会社で経験したいこと

の3つを書き出してみてください。

それだけでも、自分が会社選びで重視しているものが見えてきます。

また、自分一人では整理できない場合は、転職エージェントなど第三者に相談して、自分の経験や希望を整理する方法もあります。

特に第二新卒や未経験転職では、「どの求人に応募するか」より先に、自分が次の会社で何を実現したいのかを整理することが重要です。

まとめ|転職活動の軸は「かっこいい回答」を作らなくていい

転職活動の軸で大切なのは、面接官に評価される言葉を考えることではありません。

「今回の転職で何を変えたいのか」

を明確にすることです。

そのためには、

現在の仕事

転職したい理由

将来どうなりたいか

次の会社に求める条件

の順番で考えてみてください。

そして、

転職理由 → 転職活動の軸 → 志望動機

がつながっているか確認します。

採用担当として面接を見ると、きれいな言葉よりも、その人のこれまでの経験と回答に一貫性があるかの方が重要です。

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